冬の健康管理
グルーミング  グルーミング(手入れ)を行うポイントは、安心感を持たせ犬とのスキンシップタイムと考えましょう。ただし爪切りやハサミ等を使う手入れを始めるときは、痛みや苦痛を与えないよう、そして恐怖感を持たせないようにしてください。多少の抵抗にあっても、なだめながら必ず最後まで行うことがポイントです。中止すると次はもっと強い抵抗にあいます。



 日常的な手入れは、毎日のコーミング(金ぐし)が中心になります。特に足の内股や飾り毛、尾の部分などは、枯葉がついたりして毛がもつれやすいので念入りに行います。下腹部はおしっこ等がつきますので、運動の後は毎回部分的にタオルで拭き取ったり、洗い落としてください。毛玉になっている場合は、無理にコーミングせずに毛玉全体に粒子の細かいパウダー(例・ベビーパウダー)を振りかけたり、毛玉取りスプレイなどで、ほぐしながら梳かしていきます。毛玉のままでシャンプーしてしまうと、乾いてからは、もっと堅くなってしまいます。



  シャンプーは、運動の場所、室内、屋外での飼い方によって異なりますが、月に何回という回数を決めずに、汚れが目立ってきたなと思った時を、基本に考えてください。平均的に冬期は月に1〜2回夏期には2〜3回です。



 シャンプー剤は、たんぱく質を多く含んだ良質のものを使用します。リンスやトリートメントも毛の保護のために必要です。良質のものを使用すればバサツキ感が無く、毛玉も出来にくく、毛に良い効果を与えます。特に冬期は、静電気が起きやすいので、やや多めのリンスが効果的です。

 シャンプーを思いついたときが手入れのメインタイムと考えてください。爪切り、ひげ切り、足や耳の無駄毛切り、耳の掃除、肛門腺等、日常的に出来ない手入れを実施してみましょう。



 歯の手入れも大切です。歯ブラシが効果的ですが、子犬時からの習慣になっていないと難しいので、そんな場合は牛皮のガムやデンタルコットンでも大丈夫ですし、効果は十分あります。
冬期の食餌  屋外飼育の場合、寒さから身を守るためにエネルギー消費が高まることもあります。そのような環境では、夏期のシーズンより幾分高脂肪のフードにしたり、或いは1〜2割程度増やしても良いでしょう。ドッグフードは良質のもを使用し、主成分はベースが何であるか(ラム、ライス、チキン、フィッシュ等)、それに製造または輸入、賞味期限の日付(外袋に表示されています)グラム単位のカロリー量等を確認するなど、ドッグフード選びには慎重になってください。これまで無関心だったなら、使用しているフードの成分を一度お調べになられてみてはいかがですか。



 一般的にフードの量は、子犬の時期は体重1kgに対して220i、成犬では130i、老犬では55iになります。(運動量、環境、妊娠、授乳期などによって異なります)しかしこれはあくまでも目安ですので基本はご自分の目で愛犬を見て判断してください。



 健康的な状態かどうかの判断は、首の後ろから尾に向かって背を撫で、背骨がコツコツと手に感じられると、痩せすぎ、逆に骨のデコボコを感じられない場合は肥満と思って良いでしょう。フードの内容分が犬の年令に適しているか、運動量が適切か、間食をさせていないか等の判断をしてください。 痩せすぎも肥満も、急激にフードの量や種類を変えるのでなく、徐々に変えていく方が無難です。 
犬舎について  理想的・希望的には、人間と一緒に暮すことがベストですが、どうしても冬期・屋外での犬舎暮らしをさせる場合は、居住地域によっても異なりますが、防寒のためのアンダーコートがほとんどないこの犬種には、充分過ぎるほどの注意が必要です。



 犬舎としては、@日当たりの良い場所であること、A隙間風を防ぐため、小さな隙間も塞ぎ、保温状態の良いことが絶対条件です。週に2〜3回は日中の暖かな時に1〜2時間、犬舎の中に風を通し、清潔を保ちます。特に気をつけたいのはアイリッシュセターの場合、長毛犬種ですが、前述のようにアンダーコートもなく毛が薄いので、胼胝(タコ)が出来易いことです。床には、タコを防ぐためと静電気を起こさないために、化学繊維を避け、ある程度の弾力と厚みがあるマットなどの敷物を使用するようにしてください。決して遊び道具にさせないように工夫することが重要です。



  室内で飼っている場合は、ファンヒーター等、暖房器具を使用し乾燥しますので、換気と乾燥にも注意してください。人間同様、室内の乾燥し過ぎや換気が悪いと、気管支炎等の症状を引き起こしますので気をつけてください。



 室内でも静電気は起きやすいので、加湿器や静電気予防のスプレイを使用するなど、健康の為とコートのためにも工夫してください。
運動 冬の運動はオーナーにとっては、寒くてつらいために、外での運動量が少なくなるので日光浴をかねて運動を行うように心がけてください。運動は犬には必要不可欠です。



 老犬には、温かい室内から急に寒い戸外に出ることが負担になることもありますが、出発前に身体をマッサージしてやると、多少ウオーミングアップになるようです。



 どの年令にとっても、理想的には自由運動が最良ですが、紐付で人間が一緒に走るのでも、自転車でも、スピードに変化をつけ、犬の興味や好奇心も満たしてやることが大切です。また、運動を嫌がったり、いつもと様子が違うなどという時は、何か理由があるはずです。



 食餌の食べ方、運動の状態、便とオシッコの色や様子など、犬の健康管理には欠かせないバロメーターです。毎日、観察して異常を少しでも早く掴んでください。

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